「堆肥のお話」


最近、堆肥材料が稲藁から籾殻、オガクズ等の分解しにくいものに変わってきてからは

殆どが未熟のうちに畑に使用されています。スイカの葉枯れも未熟堆肥が大きな原因になっています。

未熟堆肥施用の害

1,畑の保水力がなくなり、干害をうけやすくなる

2,畑の中で分解が進むと、未熟な堆肥が肥料分を使ってしまう事により

  作物がチッソ不足をおこします

3,土中でガスが発生し、作物の根を痛める

4,土物類の肌を未分解材料が荒らす

未熟、完熟の見分け方

1,手で握って、チクチク、ザラザラするのは未熟、完熟したものは

  粘土の様な感じ

2,堆肥の中に、カブトムシの幼虫、ミミズがいれば完熟

3,ホークですくえるのはまだ未熟

4,完熟までの期間は稲ワラ主体で1年以上、モミガラ、オガクズ、落花生  ガラでは2年以上。

石灰チッソは堆肥生産時に混ぜて使う

 石灰チッソを入れることにより堆肥のぶんかいが早くなりますので、補助剤 として堆肥と混ぜて使う

家畜糞尿は堆肥ではない

 畑に堆肥を施す大きな目的として、土壌中の有効微生物の増殖ということが あります

 この有効微生物は、稲藁等に含まれる繊維分をエサとして生きています、 そのエサの供給のために堆肥を施すわけです。

 家畜糞尿は、稲藁やオガクズと混ぜて発酵をさせます、そのままでは堆肥 になりません

 * 参考文献:JA千葉市「豊作くんパート2」


 

農業の基本的学問


 

肥料:一般的に野菜の生育に必要な要素は窒素(N)リン酸(P)

   カリ(K)の3要素とカルシウムマグネシウム、他に鉄、硫黄、

   マンガン、モリブデン

   野菜に多く吸収される、窒素、リン酸、カリ、カルシウム、マグネシウム

   は肥料として補給する必要があります。

肥料の種類

   窒素質肥料:尿素、硫酸アンモニウム、石灰窒素など

   リン酸質肥料:過リン酸石灰、溶成リン肥、など

   カリ質肥料:塩化カリ、など

   化成肥料:普通化成肥料(成分の合計が30%以下)

        高度化成肥料(成分の合計が30%以上)

   配合肥料:2種類以上の単肥を混ぜ合わせ、成分調整したもの

   単肥:3要素の1成分のみが含まれているもの

   有機質肥料:(動物質肥料、植物質肥料、自給有機質肥料など)


 

窒素:茎葉を育てる働きがあり、葉っぱ類に効果が大きい

    多すぎると、枝葉ばかりが茂って花や実がつきにくくなる。

    尿素、硫安、他に魚かす、油かすに多く含まれる

リン酸:花や実のつきをよくする

     過燐酸石灰、熔成燐肥が代表的、骨粉に多く含まれ、乾燥鶏糞

     米ぬか等にも含まれている

カリ:根の発育をよくする働きがある、また組織を丈夫にし寒さや病害虫

   に対する抵抗力をつける

   硫酸カリ、塩化カリ、草木灰などがある

 

有機質肥料:動植物を原料として作られた肥料

         一般に、緩効性肥料、地力を増働き

         堆肥、乾燥牛糞、乾燥鶏糞、油かす、魚かす、骨粉など

無機質肥料:鉱石、空気などの無機物から化学的に作られた物

        主に、速効性、肥効が急激なので多用は注意する

         化学肥料、草木灰、緩効性の化成肥料、配合肥料、

        固形油かす


*用途

配合肥料:元肥、追肥

粒状化成肥料:元肥、追肥

堆肥:元肥(大量に)

草木灰、わら灰:(カリ肥料)元肥、追肥に使用出来る

石灰:土の酸性の中和に使用、(消石灰、苦土石灰)

参考文献==野菜作り40種(主婦の友社)、高等学校「農業基礎」(農文協)


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